脊髄腫瘍

発生頻度は低いですが、脊髄にも腫瘍が発生することがあります。

脊髄に関連する腫瘍は、発生部位によって硬膜外腫瘍、硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍と分類されます。いずれも治療は簡単ではありませんが、特に硬膜外腫瘍のうち椎骨から発生した悪性腫瘍、髄内腫瘍(発生率も低い)は犬猫では治療法が確立されておらずごく一部の施設でチャレンジが行われているというのが現状です。

当院では犬猫の髄内腫瘍の手術摘出に積極的に挑んでいます。

退形成性星細胞腫(猫)

MR画像は、手術が難しいとされている脊髄髄内腫瘍です。来院時は四肢麻痺で寝たきりでしたが、手術後は元気に走り回れるようになりました。治ったかもと思っていたら手術後4年11か月で再発しました。

上皮型腎芽腫(犬)

MR画像は、手術が難しいとされている脊髄髄内腫瘍です。その上、後肢の運動と感覚に関わる重要な神経細胞体が集まり脊髄内でも特にデリケートな部位である腰膨大部に発生していました。手術前は後肢麻痺でしたが、手術後は元気に走り回れるようになりました。術後663日で脳腫瘍が原因で死亡しました。