遺伝性神経変性疾患


ライソゾーム病など多くの疾患が含まれますが、獣医師の間でも認識が充分とはいえません。産まれた時は正常で、成長の過程で徐々に症状が出てくるのが特徴です。

そのため、飼い主さんが仔犬・仔猫を手にされた時には見た目には正常なことが多いです。言い換えると、ブリーダーさんやペットショップ側はその時点では異常という認識が出来ません。様々な種類がありますが、種類によっては生後数年経過してから症状が出始めてゆっくり進行するために、獣医師にとっても遺伝性疾患と認識することすら難しいものもあります。

症状:運動失調、ふるえ、倒れる、不全麻痺、異常行動など

多くは残念ながら治療法がありません。

遺伝性である為、きちんと診断して疾患を引き起こす遺伝子を持つ親を繁殖に使わないようにすることが重要です。

当院ではこれまでに、ボーダーコリーのセロイドリポフスチン症、チワワのセロイドリポフスチン症、四国犬のセロイドリポフスチン症、トイプードルのGM2ガングリオシドーシス0亜型(サンドホフ病)、パピヨンの神経軸索ジストロフィーなどを診断しています。特に四国犬のセロイドリポフスチン症とトイプードルのGM2ガングリオシドーシス0亜型(サンドホフ病)は世界で始めて当院で発見・同定されました。これら以外にも遺伝性神経変性疾患が疑われたものの病理解剖できずに最終的な診断にたどり着けなかった症例も複数おり、広島や近隣県でも様々な遺伝性神経変性疾患がみられます。

現在、上記の疾患では四国犬のセロイドリポフスチン症を除いて採血によるDNA診断が可能になっています。